各社の成功体験・失敗体験を課題解決の糸口に
WalkMeのユーザー企業様が集い、定期的にノウハウや情報交換を行うユーザー会。4回目となる今回は、人事関連システムにWalkMeを実装している7社12名が参加し、デモを交えながら活用事例を発表しました。各事例に対して参加者から寄せられる質問は、WalkMeそのものの使い方にとどまらず、WalkMeをより効果的に運用するための組織編成や、人事システムの使いこなし術にまで及び、他社の取り組みから数多くのヒントを見出していました。
事例発表に登壇した各社の活用状況を簡単にご紹介します。(順不同)
株式会社NTTドコモ
ユーザビリティの継続的改善によりEmployee Experience(EX)を向上
■対象システム:SAP SuccessFactors
システム操作に対するユーザーのストレスを軽減するだけでなく、システムに登録される情報を拡充すると共に情報の精度を上げたい。そんな思いでWalkMeを導入したというNTTドコモ。「システムが使いやすくなれば、当然ユーザーは進んで入力してくれるようになります。ガイダンスやアナウンスを丁寧に重ねていくことで、人事部が欲しい、活用したいと思う情報が入ってくるようになり、結果的に人材のより良い配置の調整ができ、EXが高まっていくと考えています」と郡氏は語ります。
各画面では、スマートチップスを中心に、ユーザーがつまずきやすい箇所にスマートウォークスルーを活用。マニュアルレスで基本操作が行えるようにしている点は他社と大きく変わりありませんが、特徴的なのは、社員のタスクをショートカットボタン化し、一般社員と上長(評価担当者)、人事担当者でメニューの出し分けを行っている点です。
また、情報の質を高める工夫として、たとえば短期キャリアビジョンの入力項目では、現在の業務と次に実施したい業務という見出しを入力欄にデフォルトで表示させ、ユーザーが入力した内容がどちらに該当するものかが見分けられるようにしています。さらにインサイト機能を使って、どこが使われていないか、ユーザーはどこで離脱しているかといった情報を分析。ユーザーにとってより使いやすいシステムへ、継続的な改善につなげています。
外資系大手金融グループA社
日本独自の人事制度や感覚に合った使い勝手をシステム上で実現
■対象システム:SAP SuccessFactors、TIME-3X、ServiceNow、SharePoint
外資系大手金融グループのA社は、セキュリティの観点からグローバルで共通のシステムを使用しているため、日本の人事制度や感覚に合わないシステムが多く、結果としてユーザーに対する細かい指示や注意事項が発生することに頭を悩ませていました。WalkMeを導入したのは、誤入力を減らしたり、適切な項目に誘導したりすることで、差し戻しを減らし、現場のストレスを軽減するために他なりません。
現在同社では、人事領域のシステムだけでなく、調達部門でも複数のシステムにWalkMeを実装しており、SAP SuccessFactorsに代わって導入を予定しているタレントパレットにも実装する予定で進めています。
「一番助かっているのは、定型文が自動入力される機能や、適切な情報に自動で遷移する機能ですね。入力が必要な項目をハイライトしたり、次に何をしたらよいかをガイドしたりすることで、新入社員や入社してまだ日が浅い社員も、画面に従えば迷うことなく操作できます」と佐藤氏。また、「今後はサーベイ機能を使って、間違った操作をした理由や、わかりにくかった点などを明らかにし、画面改修に生かしていきたいと考えています」と語りました。
日東電工株式会社(Nitto)
システムへのプロファイルの登録情報が倍増
■対象システム:SAP SuccessFactors
Nittoは、SAP SuccessFactorsを導入し、その活用方法について検討していた時期にWalkMeと出会いました。その後、SAP SuccessFactors上でのオペレーションミスを削減すること、従業員によるタレント情報の入力を促進することを目的にWalkMeを導入。スマートウォークスルーや、ランチャー、スマートチップスを使った操作補助、ランチャーやシャウトアウトを使ったアナウンスなどを実現しています。また、セグメンテーションの機能を活用し、ユーザーに対して表示するWalkMeコンテンツの出し分けを行っている点も特徴です。
これにより、業務担当者へのオンボーディング時間の短縮、操作ミスの軽減による工数削減といった効果のほか、個別の操作説明会や操作マニュアルがなくても誰もがタレント情報を登録できるようになり、人事システムにヒトや組織情報をスムーズに集約できるようになっています。
「社内システムでアナウンスしても、メールで通知しても、思うように従業員によるプロファイル情報の登録が進まなかったのですが、WalkMeで目につくような仕組みを実装したら、以前の倍近くに登録情報が増えました。WalkMeは自分たちでコンテンツを作れるのが面白味でもあるので、今後は経営層に向けてどうアプローチするかという観点でWalkMeの使い方を模索していきたいですね。」(竹中氏)
大手総合エレクトロニクスメーカーA社
社内CoEを設置して業務内容に熟知したサービス主管元部門と連携
■対象システム:SAP SuccessFactors 他
WalkMeを実装済みのサービスが5つ、開発・検討中のサービスが7つと、幅広くWalkMeを活用している大手総合エレクトロニクスメーカーA社は、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上、脱マニュアル、ユーザー分析とデータの利活用を目的として効果的な実装を実現するために、独自の役割分担・推進体制を構築しています。事例発表ではその詳細が紹介されました。
同社は、WalkMe実装の品質を全社で均一化していくために、WalkMeのアカウント作成や環境の払い出しなどの事務手続き、社内ドキュメントの作成・整備、導入支援・開発および効果測定支援を担当する社内CoEを設置。社内の各サービス主管元部門と連携しながら、WalkMeの導入を進めています。
「コンテンツの作成をサービス主管元部門にて実施することにしたのは、業務内容を熟知している必要があると判断したからです。WalkMeなら経験を問わず容易に操作できるので、各部門に任せやすいというのも理由の一つです。CoEとしてはコンテンツ作成やKPI設定、インサイト機能の活用に関する各種ガイドラインを作成して支援しています。」(本田氏)
WalkMeの実装が完了したサービスでは、IT視点から「視覚的操作が可能で容易性が高い」「本番環境リリースが容易に行える」「旧製品からの移行に短期間で対応できる」といった声があるほか、利用者視点から「直感的に使えるようになった」「利便性が向上した」といった感想も聞こえており、UX向上への一定の評価が得られています。
事例発表後は、3つのグループに分かれてフリーテーマでディスカッションを実施。投資効果を最大化するためのチーム体制、運用方針、効果の測定方法、おすすめの使い方、最も多用しているアイテムなどについて活発な意見交換が行われ、課題解決の糸口を探ろうと、互いのエピソードに耳を傾けていました。