日本のDXはなぜ不完全なままなのか?DXを完成させるラストピース・デジタルアダプションとは?

WalkMe Team
By WalkMe Team
Updated January 7, 2025

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、多くの企業にとって避けて通れない課題となっています。しかし、現実にはDXが期待通りに進まず、70%のDXプロジェクトが失敗しているというデータも存在します。なぜ、テクノロジーがこれほど進化しているにも関わらず、DXの成功率は上がらないのでしょうか?その背景には、デジタルフリクションとチェンジマネジメントの欠如が深く関係しています。この記事は弊社のウェビナー、「日本のDXは なぜ不完全なままなのか? DXを完成させる ラストピース・DAPとは?」のまとめ記事です。ウェビナーも併せてご覧ください。

 

Masahiro Ono

 

DXの重要性と現状の課題

ガートナーの調査”によると、2025年までに70%の組織がデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)を活用し、アプリケーションのユーザーエクスペリエンスを改善すると予測されています。また、2026年までには40%の組織がDAPに組み込まれた生成AIを活用し、新しいワークフローを従業員に自動で提示するとも言われています。

一方、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の調査”によれば、DXの成功率はわずか30%です。テクノロジーへの投資が増大しているにもかかわらず、ビジネス価値が伴わないという現状があり、これを「デジタルアダプションギャップ」と呼んでいます。このギャップを埋めるためには、まずデジタルフリクションの解消が必要です。

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デジタルフリクションとは

デジタルフリクションとは、システムを使う際に生じる障害や混乱を指します。

デジタルフリクションが発生する場面は主に2つあげられます。1つ目は、システムの使い方がわからないというケースです。例えば、Salesforceのような複雑なシステムでは、どのメニューから操作を始めればよいのか、初めてのユーザーには非常にわかりにくいことがあります。システムがベストプラクティスに基づいて設計されているとしても、自社の業務フローと完全に一致しない場合、ユーザーは混乱してしまいます。2つ目は、どのシステムを使えばいいかわからないというケースです。特に近年、企業が導入するSaaSの数が急増しています。米国の大企業では、2023年時点で1社あたり平均473種類のSaaSが導入されており、日本企業も今後同様の状況になることが予想されます。例えば、経費精算を行いたいときに、どのシステムを使えば良いのか分からないという状況が発生します。このようなデジタルフリクションが解消されないと、以下のような問題が発生し、投資したシステムのROIが低下し、DXの目的である業務効率化や企業競争力の向上が実現できません。

  • ユーザーが業務を効率的に進められない
  • システムが使われない、あるいは間違った使い方をされる
  • 導入したSaaSの半分がアクティブに使われない

 

チェンジマネジメントの欠如がDXを阻む

デジタルフリクションを解消するだけでは、DXは成功しません。もう一つ重要な要素が、チェンジマネジメントです。チェンジマネジメントは、従業員が新しいシステムや業務プロセスを定着させるための活動です。プロジェクトマネジメントが技術的な側面をカバーするのに対し、チェンジマネジメントは人や組織の側面をサポートします。

欧米では、DXの成功にはプロジェクトマネジメントとチェンジマネジメントの両方が必要とされています。チェンジマネジメントを効果的に行うためには、ADKARモデル(認識、欲求、知識、能力、定着)に基づいたアプローチが有効です。しかし、日本企業ではチェンジマネジメントが欠如していることが多く、これがDXの成功率を下げる一因となっています。

DX成功のために必要な2つの要素

DXを成功させるためには、次の2つの要素が不可欠です。

  • デジタルフリクションの解消
    システムの使い方がわからない、どのシステムを使えば良いかわからないといった課題を解決することが重要です。
  • チェンジマネジメントの実施
    従業員が新しいシステムやプロセスに適応し、業務に定着させるためのサポートが必要です。

そして、デジタルアダプション戦略こそ、この解決の鍵となります。デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)は、システム画面上にリアルタイムで操作ガイドを表示し、ユーザーが迷わず業務を進められるようサポートします。また、パーソナライズされたデジタルハブを活用することで、ユーザーが必要なシステムに迅速にアクセスし、業務フローをシームレスに完了できるようになります。複数のシステム間の業務プロセスを跨いで必要なアクションをリアルタイムで促すことも可能です。会社側からの通知も効果的に届けることで、重要な業務の期限を守るサポートを提供します。

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DAPを導入することで、DX推進部門やIT部門はシステムの利用状況を把握し、高速PDCAサイクルを回せるようになります。ノーコードツールを使い、ユーザー体験を迅速に改善し、システム投資のROIを最大化することで競争優位性を確立し、変革を成功に導くことができるのです。

 

まとめ

DXを成功させるには、デジタルフリクションの解消とチェンジマネジメントの実施が不可欠です。DAPを活用することで、ユーザーはシステム操作に迷わず、業務に集中できる環境を整えることができます。DX推進部門とIT部門が連携し、企業全体でデジタル変革を推進することで、期待を超える成果を実現できるでしょう。

DX推進にお悩みの方はぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

 

Gartner®, Market Guide for Digital Adoption Platforms, Melissa Hilbert et al., 11 September 2023
Boston Consulting Group, 「デジタルトランスフォーメーションに関するグローバル調査 (2020年4月~6月実施)」

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