RISE with SAPの活用においてユーザーが適切にアクションしているかの分析を基に明確なゴール設定を実現。ユーザー体験を高めるデジタルアダプションプラットフォーム、WalkMeで、シームレスなシステム・データの連携、テクノロジーの価値を最大化します。ソフトウェア活用の本来の目的達成や効果創出に貢献し、誰もが迷いやストレスなくデジタルシステムを使いこなす「WalkMe」について解説します。
システム導入における「期待(理想)」と「現実」
想像してみてください。あなたが経営者もしくは導入を検討する立場だったとします。そこで、システムの新規導入を行うとしましょう。そこにある「期待」はどのようなものですか?
- 従業員や利用者がシステムを活用することで、業務の無駄やムラを削減・改善することができる
- システムを活用することにより、経営の課題解決および経営目標の早期達成
- DX促進とビジネス変革の実現
などではないでしょうか。反対にあなたが従業員や利用者の立場だったとします。今日から、新しいシステムを利用するよう上司やIT部門から案内されたとしたら、そこにある「期待」はどのようなものですか?
- 新しいシステムを活用することでどのように生産性があがるのか?
- レガシーシステムではできなかったことができるようになる
- スピードアップや複雑さの低減
などがあるかもしれません。現実はどうでしょうか?経営者やシステム導入の担当者は、実はこんなことを考えているかもしれません。
- 従業員や利用者が新しいシステムを活用しているか(使いこなせているか)
- システム導入からだいぶ経ってるのに問い合わせが一向に減らないのはなぜか
- 導入目的は達成されているか、達成されるとしたらいつなのか(そろそろ経営報告もあるのに)
- そもそも投資対効果はあったのだろうか
一方で、従業員や利用者の立場ではどうでしょう?
- 先月もXXシステムを使うように通達が来てたのにまた新しいシステムが増えたの?
- YYの申請を提出したいだけなのに、どのシステムを使ったら良いのかわからないし、どこに問い合わせしたらいいのかわからない
- マニュアルばかり増えて、いちいち見て仕事するなんて時間の無駄だ
- マニュアルに貼られているスクシと実際の画面が違うんだけど本当に最新のマニュアル?
- DXと経営側は口だけ出して、皺寄せは全部こっちにきているのでは?
このように、システムを導入する側と利用する側の「期待(理想)」と「現実」の間にあるギャップを埋めるのがデジタルアダプションです。そして、システム導入における本来の目的達成と利用者が迷いなくデジタルシステムを使いこなせるよう定着化を支援し、導入効果を最大限に生み出すために生まれたのがデジタルアダプション・プラットフォーム「WalkMe」(以下、WalkMe)です。
複雑なシステムや使い慣れていないシステムがユーザーにとってストレスにならないように
WalkMeはWebアプリケーションにまるで“ユーザーに寄り添った形の様々な変化“を提供し、ユーザーがアプリケーションを使いこなし、生産性を向上させる効果を創出します。
例えば、SAP SuccessFactorsのブラウザ上の表示画面に対して、人の目に見えないレイヤ(層、またはカバーのようなもの)をかけて、その上にガイダンス、ポップアップ、ボタン、ツールチップなどを表示します(オーバーレイと言います)。これらは、
- システム利用者が実施したいことを選択するとユーザーに寄り添いながら操作方法をステップバイステップでガイドします
- システム操作に迷いや戸惑いが発生する場所で補助的な説明を表示するなど、寄り添って伴走します
- 面倒な入力やクリック操作の代行や
- 参考資料へジャンプできる入り口を提供してくれます
このように、最初は迷いなく使いこなすための「リアルタイム操作ガイド」からはじめ、組織全体の業務遂行能力を高める「業務ルールのコーチング」、ほかのツールと連携させた「オートメーション」、継続的な改善に取り組む「PDCAサイクル化」といった流れで、全社のプラットフォームとして使うまで適用範囲を広げていくことができます。
<SAP SuccessFactors上でのWalkMe>
また、最近ではブラウザ上だけでなく、新たにSAP GUI上で同様の体験ができるようになりました。SAP GUI上にWalkMeをオーバーレイすることで、SAP基幹システムを利用する際の、ユーザーの生産性向上、トレーニングコストの削減、データ入力のミスの削減(入力データの精緻化)などに貢献することができます。
<SAP GUI上でのWalkMe>
人からシステムに合わせるのではなく、システムから人に寄り添う時代へ
自動車の世界ではカーナビをはじめとするテクノロジーの進化を経由して、現在では衝突回避やレーンアシスト、自動運転技術など自動車側が人に寄り添う時代がすでに始まっています。
これは人がやりたいこと(やるべきことや目的地)を設定することで、自動車システムが先回りして実施してくれていることに、他なりません。
しかしながら、Webシステムにおける一般論では、やもすれば
-
- システム側のベストプラクティスや決められたお作法に人が従うこと
をユーザーに求めがちです。さらにシステム導入側の立場になると、
-
- 多額のコストを投資し、当該システムをカスタマイズし、無理矢理でも自社のプロセスに合わせようとし、
- 複雑なオペレーションをユーザーに求めたり、
- カスタマイズのしすぎから柔軟な変更やシステムの改修に対応ができず、さらなる運用コストの増加が生まれる
ことも珍しくありません。WalkMeを使うことで、新たに導入するツールを「人に寄り添うシステム」として変革し、最小限のカスタマイズでユーザーに貢献することができます。また、業務プロセスを完了させるまでの道筋をWalkMeが伴走することで、誰でも簡単に使いこなせるようになります。例を見てみます。
例えば、入力フィールドに「半角カタカナ」のような入力制限は多くのシステムに存在しますが、いざ保存ボタンをクリックした時に、エラーが表示され、どこでエラーが表示されたかを探す、といったシーンも少なくありません。また、これをシステムで対応していないとなると、無理やりカスタマイズして入力制限をかけることもあるでしょう。WalkMeを利用すると、操作ガイドとして、このような入力規則を適用することができるので、すぐに問題点を示すことができ、やるべきアクションを促すことが可能です。もちろんシステム側へのカスタマイズは一切不要です。
<WalkMeによる入力フィールドへの制御例(半角カタカナの制御)>
利用者に対し、情報補足することも簡単です。例えば、初めて利用するシステムのボタンやメニューにどんな機能がついているのか?通常であれば、ユーザーは恐る恐るクリックしたり選択したり、または確認のためにマニュアルを探したり・・・といったことになるでしょう。もしかすると、一旦クリックすると戻れなくなり、ブラウザを閉じてしまうことになるかもしれません。
WalkMeを使えば、その場で情報を表示することができるので、初めて利用するユーザーの迷いや戸惑いが発生することはありません。これは初めて使うユーザーにも効果的ですが、ベテランのユーザーであっても、マニュアルを丸暗記しているわけではないので、業務プロセスを正しく完了させる上では大変重要な要素なってきます。
<WalkMeによる情報補足例>
(SAP Concur上での、経費タイプによる規定表示ボタンの切り替え及びツールチップによる情報補足)
PDCAを早期に回すための効果測定&分析(アナリティクス)ツール
WalkMeは、デジタルアダプション領域では他の追随を許さない機能性を保持しているにもかかわらず、毎週のように大小様々な機能の追加や改善が行われています。これは、WalkMeがグローバルで数百名規模の開発メンバーを抱え、開発を重視していることと、創業からすでに10年以上経つことによる経験・積み重ね・実績があるからです。(webサイトより抜粋:https://www.walkme.co.jp/blogs/technology-07/)
その全てが、WalkMeの「プラットフォーム」としての強みとなっています。WalkMeデジタルアダプションプラットフォーム、英語名:WalkMe Digital Adoption Platform = WalkMe DAPと称しているのはそのためです。
<PDCAを回すための全ての機能をプラットフォーム提供>
効果測定・分析ツールと言っても、WalkMeではプラットフォームを標榜しているからこそ、経営者層、ミドルマネジメント層、導入担当者、それぞれの指標や粒度に合わせた効果測定や分析が可能です。
また、WalkMeではData -> Action -> Experienceをコンセプトに、ユーザーの行動データを元にPDCAを回すアプローチを強力に押し進めており、それに伴った新規ダッシュボードや分析ツールの開発をさらに進めています。
例えば、
- システム投資に見合った利用状況であるかを一元的に判断するダッシュボード
- 複数の指標を総合し導入KPIを達成できているかのKPI管理ダッシュボード
- 個別のWalkMeガイダンスのステップごとの実行回数や離脱状況を判断したり、業務プロセスにおけるWalkMeガイダンスやシステム改修の示唆を見出す分析ツール
などです。
<KPI管理のためのダッシュボード:Digital Adoption Project>
<WalkMeガイダンスのための分析ツール:インサイト機能例>
ノーコードツールで導入担当者の負荷を低減&導入から効果測定まで一気通貫でサポート
WalkMeの開発ツールは、エディタと呼ばれるアプリケーションで、誰でもどのようなITスキルであっても利用可能なノーコードツールです。対象のWebシステムの画面をみながら「ここに」「WalkMeのガイドを表示」「内容はXXX」と言うようなステップで直感的に作っていくことができます。自動クリックや自動入力なども、プログラミングいらずで数クリックで処理を自動化できます。こちらは字面で見るよりも、動画を見ていただけると手軽さが一目瞭然かと思います。
<ノーコードツール:WalkMe Editor(エディタ)でのコンテンツ作成>
SAP SuccessFactorsや代表的なSaaSアプリケーション向けには、テンプレートも用意しているので、WalkMe早期導入に活用いただくことが可能です。WalkMeの導入は、WalkMeのコンサルタント又は弊社が認定したパートナーが責任を持って行います。また導入に際し、お客様自身で改善サイクルを回していただけるよう、内製化のサポートを行います。
加えて、弊社のカスタマーサクセス部隊が導入プロジェクトから関わることで、効果測定や改善提案を行い、導入から効果測定まで一気通貫で丁寧にサポートします。
ユーザは目的(やりたいこと)さえ明確であれば手ぶらでOK、あとは全てWalkMeがお連れします
WalkMeの利用範囲は実はWebシステムだけではありません。Workstationと呼ばれるデスクトップアプリケーションが存在し、デスクトップに常駐することで、常にエンドユーザーに寄り添います。”目的”、”やりたいこと”は、はっきりしているのに、”どのシステムで何をすれば良いか”が、明確でないことは多いかと思います。また、一つの業務プロセスなのに、複数のシステムを使った対応が必要なケースもあります。そんな時は、Workstationを呼び出して問いかけるだけで解決します。是非、実際のデモを見て頂き、イメージをしてみてください。
<Workstationを利用したプロセス完了デモ>
検討時から導入後まで継続的に生み出すWalkMeの導入効果
トレーニング・マニュアル削減およびサポート運用費の削減と生産性向上
一番わかりやすい効果としては、トレーニング・マニュアルの削減です。まずはユーザーに利用してもらう必要がありますが、これまで一般的には、
- トレーニング開催のためのコスト
- 膨大なマニュアルの手配・管理
- マニュアルやFAQページの読み込み
などが必要でした。それに対しWalkMeでは、
- ガイダンスを用意することでユーザーが操作するその瞬間に利用方法をガイドする
そのため、トレーニングやマニュアルに関する工数・時間を大幅に削減することが可能です。この適切なタイミングでユーザーにシステム操作を促すに加え、
- 正確なデータ入力を支援する
- 自動処理する
などの複合的な効果によって、
- 毎度必要な処理をマネジメントや管理部門が呼びかける手間を省いたり
- 間違い訂正処理工数を削減したり
- ユーザーの操作時間を短縮したり
といった様々な生産性向上が見込めます。このようなコスト削減効果と生産性向上は、当初からシステム導入の狙いだった効果を、より追求することに繋がります。
<定着化フェーズにおける主要な効果>
DXを強力に推進するための組織体制変革
次に、DXを強力に推進するための体制変革が容易になります。近年、DXに向けた内製部隊強化がCDO/CIOアジェンダにあがることも少なくありません。IT人材の採用が難しい中、ノーコードツールであるWalkMeが内製強化につながる打ち手の一つとなります。
これまでは導入における自社向けカスタマイズは、自社で行うにはハードルが高いため、工数がかかりリードタイムも長くなるため、外部発注せざるを得ないということが一般的でした。しかし、WalkMeを導入することで、
- しっかりした設計に基づき間違いなく実装すべきデータ・ロジック層
- あらかじめ予定しているPDCAを回すUX層
にわけた上で、後者を”UX設計に長けているノーコードツールWalkMe”を利用することで、内製化が可能となります。またそれにより、
- 実装コストを削減するとともに
- 最終的によりよいUXに到達する
ことが可能となります。更に、WalkMeは複数システムをまたぐ形で利用することが可能であるため、全てのシステムのUX層をWalkMeに任せることで、カスタマイズする知識をシステムごとに蓄積するのではなく、WalkMeだけを習得し複数システムに対応するという方法を取ることができます。
またDXでは、アジリティが重要なキーワードです。一度作って終わりではなく、常にPDCAを行うことによってシステムの効果を最大化することができます。これまでシステムはGoLiveするまでは多くの人が多大な工数を投入する一大プロジェクトでしたが、GoLive後は明らかな障害が発生しなければ問題と見做されないのが一般的でした。しかしながら、最初にリリースしたものが完璧なUXをユーザーに提供できることはほぼありません。WalkMeは分析機能も備えており、
- システムのどこでどのガイダンスが使われている/いないのか
- どのステップでユーザーが離脱したのか
などを把握することができるため、管理者がユーザーを望むように誘導することができ、どこで手を打つべきかがクリアになります。そして、ノーコードツールであるWalkMeで、PDCAループを素早く回す体制を内製化することで、DX推進にて重要なアジリティの実現につなげることができます。
WalkMeを利用しシステムから人に寄り添い最大効果を創出
WalkMeを導入頂き、住友商事様や日本経済新聞社様といった、多くの企業様で導入効果を創出し、その効果を実感していただいています。
テクノロジーであるシステムに人に合わせる時代から、システムが人に寄り添う時代へ。
貴社のDX推進そして企業変革をなし得るWalkMeの導入を是非ご検討ください。