近年のテクノロジースタックの急速な拡大に伴い、デジタルツールを活用する際に直面する課題、デジタルフリクションが増加しているのに加え、それらの原因を突き止めることがますます困難になっています。ツールの活用で従業員がつまづいている、定着化しておらずツールがほとんど使われていない、あるいは他の既存ツールの機能と重複している、などのお悩みは多くの企業が抱えていますが、これらの問題が「何」で「どこ」で「なぜ」そして「どのように」発生したのか、その具体的な点は依然として把握しにくい状況です。
こうした課題に取り組む際に企業を支援する、2つのツールがあります。それが、ソフトウェア資産管理(SAM)システムとデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)です。ここでは、これらのツールを組み合わせて使用することで、テクノロジースタックを効果的に管理し、組織内のデジタルフリクションを取り除くかを詳しく見ていきます。
ソフトウェア資産管理システムとデジタルアダプションプラットフォームとは?
ソフトウェア資産管理(SAM)
ソフトウェア資産管理は、ライセンスソフトウェアの使用ルールを遵守し、デジタル支出を管理するために設計されています。ソフトウェア資産を分析することで、使用状況を可視化し、ライセンスが効果的に使用されているかを確認します。ソフトウェアの価値を最適化し、他のステークホルダーと重要な情報を共有する際にも役立ちます。
デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)
DAPは、あらゆるアプリケーションの上に重なる目に見えないオーバーレイとして機能し、アプリ内ガイダンスやサポートを提供します。これにより、学習プロセスが効率化され、直感的で使いやすいインターフェースを通じてユーザーの導入が促進されます。さらに、このプラットフォームはユーザーの行動に関する貴重なインサイトを提供し、企業がソフトウェアを最適化して、ユーザーエンゲージメントと生産性を向上させることを可能にします。
SAMとDAPを活用したデジタルフリクションの削減
デロイトによると強力なSAMを導入することで、ソフトウェア投資を最適化し、アプリケーションコストを年間5%から25%削減できると言われています。しかし、SAMはライセンスや使用状況を可視化し、適切なライセンスが取得されていることを確認する際に役立ちますが、従業員がソフトウェアをどのように使用しているかは知り得ることができません。
SAMで問題の根本が特定されたら、いよいよ解決に取り組む段階に入りますがここで役立つのがDAPです。DAPツールを導入している組織では、ソフトウェアの定着率が平均35%向上したと報告されています。DAPはソフトウェアの利用状況を可視化するだけでなく、ソフトウェアの定着促進も推進します。
DAPを使うと従業員がどのようにツールを使っているか、使用パターンが可視化され、改善点を特定することができます。また、以下のような機能も活用することができます。
- カスタムオンボーディングプロセス
- インタラクティブなチュートリアル
- コンテキストに応じたサポート
- 分析ダッシュボード
SAMとDAPのいずれかを使っている企業が多いものの、SAMは効果的なソフトウェア資産管理、DAPはデジタルトランスフォーメーションの取り組みを最適化することに重点を置いているため、それぞれが補完し合う関係にあるのです。
ビジネスニーズに合ったSAMとDAPを選ぶヒント
生産性を最大化しマニュアルプロセスの負担を軽減するためには、自社に適したSAMやDAPの選択が重要です。以下の要素を考慮し、組織のニーズに適したSAMやDAPを選択しましょう。
- 具体的なニーズを特定する
組織の規模、業界、目標を考慮してDAPやSAMに必要な機能を明確化します。 - カスタマイズ性
自社独自の要件やニーズに合わせてカスタマイズできるプラットフォームを選びましょう。 - 使いやすさ
直感的でナビゲーションが簡単なプラットフォームを選ぶことで、トレーニング時間を短縮し、定着率を向上します。 - 統合性
DAPやSAMは、既存のソフトウェアやシステムとシームレスに統合できる必要があります。 - セキュリティ
最先端のセキュリティ機能で規制に準拠しているかを確認し、組織の情報やデータを保護します。 - サポートオプション
信頼できるテクニカルサポートの提供があるかを確認します。
DAPとSAMのこれから
これまではSAMとDAPの併用が一般的でしたが、これらの機能をどちらも持つ革新的なソリューションが登場しています。弊社のWalkMeディスカバリーは、強力なソフトウェアの可視化ソリューションです。包括的なソフトウェアのポートフォリオ管理機能を提供し、すべてのウェブアプリを可視化します。WalkMeディスカバリーは単なるログインデータやアプリケーション分析ではなく、ソフトウェア使用状況や定着状況を比較し、ソフトウェア支出に対するROIを最大化します。つまり問題の特定から解決まで一気通貫で管理することができるのです。
DXで増えたソフトウェア支出のROIを最大化したい、ツールの定着化を推進したいなどのご要望はありませんか?ご興味をお持ちの方はぜひお問い合わせください。