ユーザー企業様が集い、定期的にノウハウや情報交換を行うWalkMeのユーザー会。同じ業務アプリケーションのユーザーであり、WalkMeのユーザーでもある企業担当者たちが、毎回会社の枠を越えて互いの課題や解決策、成功例や失敗例などシェアすることで、WalkMeの価値を最大化していくことにつながっています。今回は、SalesforceにWalkMeを実装している3社のご担当者様が、デモを交えながら自社の活用状況を説明。その内容を簡単にご紹介します。
【株式会社LIFULL】
Salesforceにほとんど手を加えることなく営業部門の満足度を向上
Salesforceの開発と営業部門との橋渡し役を担うなかで、営業の現場からさまざまな改善要望が出されます。今回は、その中の一つを題材として、LIFULLが選択したWalkMeでの解決策が紹介されました。
【課題】 取引先ページの関連リストの【活動・ToDo】に自動生成された大量の行動レコードが表示されており、いつお客様と会ったか?どんな話をしたか?といった情報を探しづらい。 |
同社はまず自動生成される行動レコードを非表示にすることを検討しましたが、実現できませんでした。代替案として、自動生成される行動レコードを別のオブジェクトへ移動させることを検討しましたが、これには大きな工数がかかり、すぐに実現するのが難しいと判断しました。
そこで同社は、Salesforceの動的レポートとWalkMeのスマートチップ、スマートウォークスルーの機能を組み合わせて解決。結果としてSalesforce側にはほとんど手を加えることなく、取引先IDをレイアウトに表示させただけで営業部門の要求に応えることができました。
<具体的な操作の流れ>
- スマートチップスをクリック
- スマートウォークスルーに接続
- 画面のIDをWalkMeデータが記録
- カスタムアクション(リダイレクト)で記録したIDを追加したURLを別タブで開く
一方、反省点もあります。8か月で27人が129回しか使っておらず、使用率は1人あたり1回にも及びませんでした。「完全に失敗事例の共有です。この要望をくださった営業担当者からは、単純に便利な機能が出来たことを知らないからでは?と指摘されました。確かに利用促進活動において、優先順位は低めだったかもしれません。引継ぎに効力を発揮する機能なので、期の変わり目に改めて広報する予定です」とご担当者。
続いて、「失敗例だけでは寂しいので」として、去年の改修を機に利用率が150回/月から424回/月に増えた「商談登録ボタン」の例も紹介されました。これは二重入力やわかり切った値の入力を自動化した例です。こうした営業部門の要求を吸い上げるために、できるだけ現場に足を運ぶようにしているとのこと。営業部門と本音で対話できる環境を作るのも、大切な仕事と言えそうです。
【ウィーメックス株式会社】
WalkMeの機能を幅広く活用し利便性を継続的に改善
ウィーメックスでは、Salesforceによる商談から見積もり、コールセンター業務まで、ユーザー1,100名を対象に、2020年12月からWalkMeを利用しています。目的は操作の定着と利便性の向上。WalkMeでシステム利用をアシストし、その先に問い合わせを削減する狙いです。
同社は自動化、誤入力の防止、自己解決の促進、処理の負荷軽減といったさまざまな観点から、継続的に利便性の向上を図っており、WalkMeの機能を幅広く活用しています。活用例の一部を以下にご紹介します。
<WalkMeでの実装内容>
- 自動化によりユーザーの手間を最小化
・検索ワードの自動セットにより検索機能を高める。
・スマートウォークスルーによる自動化で入力の手間を軽減する。
- 入力補助で誤入力や入力もれを防止
・何をどう入力したらよいかわかりにくい項目は、入力規則や入力例、説明などをスマートチップスで案内する。
・商談URLに値をセットし、セットされた状態で商談作成画面を起動させる。
・毎回固定の入力項目は、あらかじめ項目に入力すべき内容がセットされた状態で画面が起動する。
・未入力の項目に対して視覚的に警告を表示する。
・特に注意喚起したい箇所はデザイン的に警告メッセージを強調する。
・操作がわかりにくい箇所についてはマニュアルに速やかに参照できる導線を確保して誘導する。
・何をしてよいのかわからない人向けに、必要に応じて解説動画を用意する。
- WalkMeの機能を駆使して使い方を高度化
・アクションボットを使用してナレッジを検索する。
・サーベイ機能を利用してアンケートを設置し、リリースした機能について、周知はできていたか、満足度はどうだったかのフィードバックをもらう。
・Salesforce環境をコミュニティライセンスからライトニングプラットフォームに移行したのに伴い、jQueryの使用や、スマートチップス、スマートウォークスルーの共有化(複数画面で流用)を進め、WalkMeの動作への影響を軽減している。
同社は今後もWalkMe、管理者向け機能と利用者向け機能の両輪でSalesforceの利便性を底上げしていく考えです。
【株式会社日立ハイテク】
ユーザーにとって煩雑で手間のかかるプロセスを徹底的に簡略化
日立ハイテクでは、全社共通プラットフォームであるSalesforceに対し、ビジネスユニット(部署)ごとのガイダンスを実装することで、運用ルールに即したデータ入力をサポートしています。同社は、デモを交えながら、3つの特徴的な活用事例を紹介しました。
活用事例① 各部門独自のガイダンスの参照
主に使っているのが商談のガイダンスです。自部門のスマートウォークスルーを起動してガイダンスを参照できるようにしています。
・SAP S4 HANAと連携している項目は、SAPマークを表示して明確化。
・Salesforce導入前の案件管理システムで使用していた名称を併記。
・階層が深いところにある項目の入力の手間を省くため、一部の入力項目以外は自動処理にしてスムーズに遷移。
活用事例② WalkMeシールドによるテストの自動化
Salesforceの導入から約4年が経ち、資産が増えてチェックに手間がかかるようになったため、Salesforceの定期リリースごとの動作確認を簡略化する目的でWalkMeシールドによるテストの自動化を検証中です。検証中というのは、Salesforce自体の画面に改修が入る関係で、気づかないうちにWalkeMeシールドが動作しなくなっている場合があるためです。
活用事例➂ アクションボットによるSalesforceのファイル検索と検索したファイルへの自動遷移
アクションボットを活用してSalesforceのファイル検索を行い、検索したファイルに自動遷移できるようにしています。アクションボットはSalesforceのテーブルを直接見に行けるため、Salesforceのファイルオブジェクトから件名を表示。件名を選択した際にレコードIDを返り値として受け取り、そのIDをシャトルで起動するURLに渡し、目的のファイルまでたどり着けるようにしています。
また、ウィジェットメニューが増え過ぎて、ユーザーが自分にとって必要なものを探しづらくなってきたため、アクションボットを使ってカテゴリーを絞り込んだ上でウォークスルー起動することで、もう少しすっきりさせられないか検討中です。
同社の活用事例に対する質疑応答の場面では、WalkMeシールドの存在を初めて知ったという担当者から、その使い方についての質問が集中。シールドを作成しておくと、WalkMe社が一日一回その実行を代行し、テスト結果をフィードバックしてくれるサービスがあることも紹介されました。
3社からの発表の後は、事前に寄せられた「他のユーザーに聞きたかった話」の中でも特に関心が高かった内容について、チームごとにディスカッションを実施。3つのテーマ「チーム体制や、実装・運用方針はどうしてる?」「WalkMe以外でマニュアルを用意すべき?用意するとしたらどんなもの?」「AI機能の活用例や作った良かったアイテムは?」について各チームで自由に意見交換を行いました。
WalkMe導入の経緯やタイミング、ユーザーのスキルセットなど、各社ごとに背景は異なるものの、「今よりもっと使いやすく!」と願う担当者の熱い想いは共通です。その想いをシェアすることでモチベーションを新たにした各社が、WalkMeの価値の最大化に向けて動き出しています。