「全選択のボタンを追加してほしい」など、マーケティングや営業は、日々の活動を通して数多くの顧客の要望や意見を聞く機会があります。しかし、仮にある顧客からの要望をJ’sNAVI NEOの標準機能として新しく実装することが決定しても、進行中の開発計画や開発リソースの制約との兼ね合いで、その顧客の希望する時期に実装できるとは限りません。
この悩みを解決するため、JTB-CWTが導入したのがWalkMeです。自社で利用しているソフトウェアの使いやすさを改善するためにWalkMeを導入する企業が多い中で、JTB-CWTは独自の使い方をしています。プロダクト開発に関わる森慎太郎氏(IT企画部 IT企画開発課 担当課長)が「お客様ごとにWalkMeで開発したシナリオを、J’sNAVI NEOの機能の1つとして提供する仕組み」と説明するように、外販用のプロダクトのUX改善を目的にJTB-CWT はWalkMeを導入することを決めました。
きっかけはある顧客からの「入力内容の制御ができないか」という相談でした。企業の経費精算処理では、後から検索できるように申請番号やプロジェクトコードを紐付けて管理しています。しかし、これらは社内管理を目的としたものであるため、文字種別や桁数などの入力仕様は各社で異なるのが実情です。J’sNAVI NEO側では標準的な入力制御しか提供できないため、連携先の会計システムの仕様によっては、エラーとすべき内容が正常と判定される問題が発生します。ユーザーが気付かないまま処理を終えても、経理のチェックでJ’sNAVI NEOで再入力する必要が生じ、現場の運用に大きな負荷がかかっていました。
森氏がこの問題解決に役立つと着目したのが、WalkMeの「スマートチップ」です。WalkMeでは、入力フィールドの補足情報を表示する「ガイダンススマートチップ」と、入力ミスが発生した場合に修正を促す「検証スマートチップ」の2つの機能を用意しています。検証スマートチップを使えば、ユーザーが誤入力をしても、メッセージで誤りを指摘し、修正するとメッセージを画面から消すことができます。このやり方であれば、J’sNAVI NEO側のコードに手を加えずとも、正確なデータ入力が可能となり、手戻りなどの運用負担を軽減できるようになりました。