創業以来、“物流”という社会インフラを通じて、人、企業、地域を結び、社会の発展を支えてきたNXグループ。この変わらぬ使命を果たすため、世界を舞台にすべての力を結集して、物流から新たな価値を創造することに挑戦している。NXグループ創立100 周年の節目となる 2037 年のありたい姿として同社が目指すのは、「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」への成長である。
そのために、ロジスティクスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けるとともに、自らが持続的な成長を果たす企業であり続けようと、さまざまな変革に取り組んでいる。請求書払いに関するプロセスおよびルールの標準化と税務ガバナンス強化に向け、SAP 社の調達・購買管理システム「SAP Ariba」をグローバルで導入することを決めたのも、その一環だ。背景には、経営プラットフォーム構築推進室がリードする、「グループ“経理”基盤をベースにしたグループ“経営”プラットフォーム構築」を通じた、経営高度化とグローバル競争力の向上による長期ビジョン実現を目指す動きがある。

NIPPON EXPRESSホールディングス 経営プラットフォーム構築推進室長 日下昌彦氏 (左)
NIPPON EXPRESSホールディングス 経営プラットフォーム構築推進室 専任部長 山口崇幸氏 (右)
SAP Aribaの導入において、同社はシステムに業務を合わせる「Fit to Standard」のアプローチを重視した。その狙いを日下氏は「可能な限り迅速かつスムーズに運用に乗せること」だとして、こう続ける。
「ユーザーにしてみれば、当たり前に実施してきた業務プロセスをわざわざ変えたくはありません。意見を求めれば、今まで使ってきたシステムと同じものを要求することはわかっています。だからこそ、SAP Ariba を活用してグループ全体で税務ガバナンスを強化し、必要なデータの可視化を着実に進めていくためには、SAP Ariba で定義されたプロセスに対してユーザーの合意を得るのではなく、使いながら納得してもらうのが早道です。まずは立ち上げて、みんなで使ってみる。問題点が上がってきたら、スピード重視で改善サイクルを回していけばよいのです。どこにどんな問題があるかは網羅的に動かしてみたからこそわかることです。本稼働後に、ユーザーの改修要望を取り込みながら徐々に効果を創出していくやり方です。」
そこで、同社が Fit to Standard のアプローチを強力にサポートする仕組みとして着目したのが、デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)のWalkMeだった。
