創業以来、事務機器や光学機器の提供を通して“はたらく人”を支え続けてきたリコーは、人々の生活や働き方が大きく変化するなかで、一般オフィスから多様な業種の現場を含めたワークプレイスへと価値提供の領域を拡大し、人々の「“はたらく”の変革」に取り組んでいる。お客様への提供価値を “EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES”として定め、OAメーカーからの脱皮とデジタルサービスへの事業転換を進めている真っ最中だ。創立100周年に向けた長期ビジョン「“はたらく”に歓びを」には、業務の効率や生産性向上、さらには働く人の充足感や達成感、自己実現につながるさまざまなチャレンジへの強い意志が表現されている。
こうした全社的な動きを受け、同社プロフェッショナルサービス部でも、業務生産性および顧客満足度30%向上を掲げ、具体的な取り組みが進められている。間接材購買業務の変革もその一つであり2019年から、間接材のコスト削減、業務の効率化、ガバナンス強化を目的として、SaaSをベースにカスタマイズした間接材購買システム「eGRIP」が稼働し始めた。アナログの仕事からデジタルの仕事へ、さらにはクラウド化へという時代の流れを背景に、紆余曲折の末にたどり着いたシステムではあったが、導入当初から“操作の難しさ”を指摘する声が挙がっていたという。
須賀氏は、「専門用語が使われていたり、不要な項目が残ってしまっていたり、入力必須項目がわかりにくかったり、マニュアルを参照しないと操作が難しく、初見で使えるユーザーはほとんどいません。しかも業務プロセスごとに細かく分けられたマニュアルは100ページを超えるボリュームで、調べたいことがどこに書いてるのかすぐに探せないような状況でした」と説明。
eGRIPのユーザーは、リコーグループの12社約19,000名。導入初期の段階で障害が発生した際には、ユーザーがまだ操作に不慣れだったことも手伝って、使い方に関する問い合わせと障害対応が重なり、サポート担当者には相当な負荷がかかっていた。FAQも整備してはいたが、有効に機能していたかというと十分ではなく、サポート窓口に寄せられる問い合わせにはFAQを見れば自己解決できる問題も少なくなかった。